市内の有名寺社仏閣から離れた桜の隠れた名所。京都出身の私は桜の名所はたくさん知っています。円山公園の夜桜、御室仁和寺の八重桜、秀吉が愛した醍醐寺の桜。京都でいくつもの春を迎え、桜を愛でて育ちました。家族と友達とボーフレンドともね。
京都を離れて40年。たまに帰京するたびにあまりに増えすぎた国内外からの旅行者に暫し唖然としてしまいます。京都という小さな町の受け入れキャパシティーをはるかに超えてしまったようです。
どこに行っても人、人、人。
どこに行ってもうるさい。
どこに行ってもマナーの悪い人が(日本人を含めてですが)多過ぎる。
生まれ育った土地が世界中の人々の憧れの地、行ってみたい日本の上位を占めるというのは誇りではあります。が、京都らしい風情が消えつつ(消えてしまった?)あるのは何とも淋しい限りです。
また、初めて京都を訪れた人達が今のあり様を「古都 京都」と認識されることにも「違う、違う」と思ってしまいます。
もちろん、観光産業は京都にとって大事な財源であることは否めませんが。
最近、「日本人観光客の京都離れ」という悲しいニュースを読みました。あまりに混雑している為に、避けられるているそうです。そこで今回は市内の有名寺社仏閣から離れた場所の桜の隠れた名所をご紹介したいと思います。
山科疎水(琵琶湖疎水)の桜と菜の花のお花見

山科疏水は、琵琶湖の水を京都市に流すために作られた水路で明治時代に作られました。疎水の両岸は東山自然緑地として遊歩道が整備されています。散策コースとしては歩きやすいのでお勧めです。
お店などはありませんから、静かで落ち着いた京都のお花見を望まれる方には是非、訪れていただきたいスポットです。
山科もしくは四ノ宮から蹴上に向かっての散策路。両岸には、ソメイヨシノやヤマザクラが植えられています。四ノ宮~日ノ岡までの約4㎞にわたり、約600本以上の桜並木が続きます。疎水の上を両岸から桜が咲きみだれます。桜で造られたトンネルは夢のような景観です。
アクセスは京都駅からJRで1駅。京阪・地下鉄烏丸線:山科駅下車。東へ徒歩約10分。京都市営地下鉄 東西線:御陵駅下車。北へ徒歩約5分。とても便利ですよ。
桜と菜の花の見事なコラボレーション
また、桜の足元には菜の花も咲き乱れています。淡いピンク色の桜と春の訪れを感じさせる黄色の菜の花のコラボレーション。何とも言えない美しい風景が続きます。その中でも特に毘沙門堂の参道にかかる安朱橋周辺の菜の花は一見の価値ありです。

時間に制限がある、長い距離を歩く自信がない方にお勧めしたい散策路は、瑞光院を経由し、毘沙門堂に向かうコースです。毘沙門堂には樹齢150余年のしだれ桜が高さ10m、枝張り30mというスケールで咲き乱れます。毘沙門堂にはしだれ桜のほかに山桜など50本以上もの桜の樹があるのでここだけでも充分にお花見気分を味わえますよ。
アクセスはJR・京阪・地下鉄烏丸線:山科駅下車。徒歩20分。
せっかく京都に来たのだから史跡・寺社仏閣巡りもしたいというあなたには、「天智天皇山科陵」(てんぢてんのうやましなのみささぎ)をお勧めします。山科疏水の東、三条通りとの間に位置します。夏でもひんやりとした空気感漂う濃い緑の木々に囲まれた並木道や石畳の参道は趣があります。近くの大本山本圀寺の黄金の大梵鐘を見学に訪れるのもよろしいかと思います。
アクセスは京都市営地下鉄 東西線:御陵駅下車。徒歩2分。
びわ湖疏水船で舟下り(びわこそすいせん)

2018(平成30)年、67年ぶりにびわ湖疏水船の運行が復活しています。桜を船から見上げるお花見も一味違った風情を楽しめると思います。
航路は大津~蹴上、大津~山科、山科~蹴上の3航路。
乗船場は大津:京阪 三井寺駅 徒歩2分
山科:京阪 四ノ宮駅 徒歩10分
蹴上:地下鉄 蹴上駅 徒歩5分
問い合わせ・予約:びわ湖疎水船
さて、いかがでしょうか?疎水のお花見がお気に召して頂ければ幸いです。
蹴上でびわ湖疎水船を下船したら、南禅寺や平安神宮も徒歩圏内ですよ。
追伸:毘沙門堂のそばの疎水沿いに在る高校は私の母校です。
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